こんにちは
東京新宿・大阪上本町で
北田心理相談室を主宰しています。
うつ病・ひきこもり専門の臨床心理士
の北田義夫です。
今日は、「うつ病の自己診断チェックの
落とし穴」と題して現場での
臨床実感を語ります。
今は、うつ病を抱えた人が
簡単に自己チェック、すなわち自己診断
出来るサイトがWEB上に数多くあります。
キーワードにして入れるだけですので、
探すのに苦労することはありません。
ただ、ここで皆さんに考えて頂きたいことが
あります。
それは、このようなサイトを求める人の状態は
実際はうつ病だけに限らないことです。
考えてみて下さい。
こういうサイトを求める人は
何らかの症状を常に抱えています。
この状態で求めて自己チェックに入ると、
極めて高確率でうつ病圏にヒットするのです。
ただそこには、躁うつの方もあるし
人格障害や発達障害の方も、
時には統合失調症の方も
うつとしてヒットすることさえも起こります。
「うつは心の風邪!」ですと、
昨今のうつををめぐる世の中の状況は、
昔と比べるとハードルが低くなっています。
確かに、誰もが罹る可能性があるという点では
このアピールが投げかけていることは
意味がありますが、同時に危険も
持ち合わせています。
今までも繰り返してきましたが、
うつ病かどうかの判別は極めて難しいものです。
他の病と間違えやすいのです。
場合によっては力のある臨床医でも
ある期間過ぎてから診断名が変わることさえも
あるのです。
症状の出現が今回初めてのものなのか、
昔から何度となく現れていたのか、
ハイテンションな時期はあるのかなども
含めて正確に聞き取っていく技術が必要です。
その人自身の病気の歴史や家族の持つ病気の歴史
などをしっかりと問診していくことが
正確な診断につながっていきます。
うつ病の診断は極めて難しいものです。
安易な自己診断は禁物です。
心の風邪やからたいしたことない!なんて
誰も言ってないけれど、そう感じている人が
少なからずいるのが現状ではないでしょうか。
東京・大阪の北田心理相談室には、
どこに行っても治らない、助けてもらえないと
訴える方が最後の望みをかけて
一定の覚悟を決めて全国から来所されます。
そんな方に、一番最初にするお話が
「ココロが病む」ってどういうことなのかです。
それが終わってから本格的な問診に入っていきます。
次回は、「心の病」と題して
うつ病と診断されたが中々治らない
方に行う「心の病」についての説明を
丁寧にやりますね。
ここまでお付き合い頂きまして
どうも有難うございました。
今日のお話は、
うつ病自己診断チェックの落とし穴でした。
明日はきっと幸せな一日
また、お会いしましょう。