こんにちは
東京新宿・大阪上本町で
北田心理相談室を主宰しています。
うつ病・ひきこもり専門の臨床心理士
の北田義夫です。
今日は、「うつ病治療におけるカウンセリング
:認知行動療法とは」と題してお話します。
他の心理療法とは違って、
認知行動療法は「パーソナリティー
(人格)の変容を促すこと」を目的としない
ことから”対処療法”であると専門外の方より非難
されることもあります。
しかし実際は、腕のあるカウンセラーが
取り組むと副次的ではありますが、
人格の変容は結果として
もたらされます。
むしろこれが起こることで。
うつ病の再発防止の歯止めが
掛かるのです。
専門家の中でも、
「何か行動させることで
治療していく」と誤解されている
ことも少なくありません。
人の情動(感情の動き・物事の捉え方)や
行動を数多くある「行動理論」に
基づいて変容させることが
認知行動療法であると
説明できます。
現在は多様な変化を遂げている心理療法です。
治療的な効果を確かめながら
技法を開発してきました
これがなぜ、大発展を遂げたのかというと
①実証的なデータの基づく理論であること
②方法が明確で、多様性に富むということ
(アプローチが多数用意されている)
③問題や症状に応じて、技法を自由に変化させる
ことが可能である
④治療者によって、方法論が大きく違わない
⑤時間とコストが大幅に節約できることで
患者様に与える負担が少なくてすみます
端的に申し上げますと物事に対する捉え方に
変化を与えるものであると言えます。
その変化をもたらすアプローチの
総合パッケージが認知行動療法です。
1960年頃発展した行動療法に、
1990年頃に認知療法と呼ばれる技法が付加された
ものが認知行動療法なのです。
特に近年短時間で大きな効果が得られることが
証明され、欧米のみならずうつ病治療の
世界標準になっています。
人格障害や統合失調症などにも
有効な手法であることもエビデンスが
(証拠がデータとして)示されています。
ただ。もてはやされてきたことから
生じる弊害も数多く見てきました。
初心者でもわかり易くプログラム化されている
ことからマニュアル頼みという現象が数多く
見受けられます。
実際、認知行動療法のプロは他の流派の考え方も
身に付けて、相互的な選択肢から
選び取る作業をしています。
既製のワークシートを
機械的に使うことはありません。
実のところは身に付けている技法のいくつかを
組み合わせながら、バッテリーを組むのです。
最近では、音叉を使用したアプローチや
脳の感覚統合を目的にした認知行動療法の
枠組みを超えたボーダレスな技を組み込んだ
技法まで登場しています。
北田の場合は、ワークシートを使うよりも
言葉の効果的なやり取りをする方が
治療カウンセリングに要する
回数と時間が時間が
短縮されます。
もちろん精神分析的な手法に
ゲシュタルト療法まで幅広く使える
ものは、何でも使う立場を
取っています。
患者様自身が自問しながら
答えを出していく過程が
入っている点も
他の心理療法と
大きく違う点です。
私は、患者様と一緒に
試行錯誤するプロセスが
自分の性格と考え方に合致して
おり、相手から学び合うことが出来る
点が気に入っています。
今日は、「うつ病治療におけるカウンセリング
:認知行動療法とは」と題して認知行動療法の
大枠について述べました。
次回は、認知行動療法を駆使した
復職支援プログラムの実際について
具体的に述べたいと思います。
ここまでお付き合い頂き、
有難うございました。
本日の内容で質問などありましたら、
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また、お会いしましょう!
明日はきっと幸せな一日