こんにちは
東京新宿・大阪上本町で
北田心理相談室を主宰しています。
うつ病・ひきこもり専門の臨床心理士
の北田義夫です。
今日は、「うつ病自殺を防ぐ家族の対応①」と題して、
常に「死ぬこと」を思っていると
考えた方がよいうつ病患者様の心理を
念頭に入れた家族の対応についてお話します。
うつ症状のレベルと自殺は
関係があるように思えますが、
実は軽症は自殺が起こらない
というわけではありません
軽症でも中程度でも、
あるいは重度のうつでも
自殺は起こり得ると考えた方が適切です。
また、うつ症状が改善されてくると
一般の方は自殺のリスクが低減してくると
考えがちですが、実際は最初のうつに入る部分と
最後のうつから抜け出していく時期に自殺の
リスクが高いと言われています。
残念ながらこれらの事実は多くの関係者が熟知し
対応に生かしているわけではありません。
安易な理解から、
不幸な自殺を招かないためにも
「心理的視野狭窄」という特殊な
心理状態に陥っているうつ病患者さんの
心理に対応した細やかなご家族の対応により
自殺は未然に防ぐことが出来ます。
自殺のリスクが高い患者さんの大部分は、
「自分の問題の解決方法が自殺しかない!」と
考えておられることが、自殺から生還された
患者さんとのカウンセリングを通じて実感しています。
この話はこのブログでも何度も
書いてますので過去の記事をご覧下さい。
こういった心理を考慮しますと周囲のサポートが
自殺防止には大きな力を持つのがわかります。
特にご家族には常に死ぬと思っている現実を
北田心理相談室では丁寧に説明しています。
こんな死ぬことばっかり考えている
自分に怖くなって来所される方の
エピソードも紹介していくこと
で自殺防止への意識は高まります。
こういった状態なので、
①薬物の管理
②刃物の保管
③紐やロープのチェック
④例えばガス栓のチェック
⑤ベランダへの出入り
⑥食事量の記録
など細やかなチェックをさりげなく
やっていくことをお勧めしています。
また、以下に示す自殺の兆候となる
サインに注意深くアンテナを張っていく
ことの重要性も教育しています。
㋐投げやりな態度(治療をやめるなど)
㋑急に不自然ほど明るくなる(*要注意)
㋒危険な行為を繰り返す
㋓日記や手紙を処分する
㋔「死にたい」と明言する
他に、自殺の具体的な計画を立てることや
自傷行為、感情の不安定さも自殺の徴候を示す
ものとしてご家族の皆様に丁寧に説明しています。
今日は、「うつ病自殺を防ぐ家族の対応①」と題して、
常に「死ぬこと」を
思っているうつ病患者様の心理を念頭に
入れた家族対応について綴りました。
北田が実際の臨床の中で
うつ病の御家族に対して行っている
自殺防止の心理教育の内容です。
大切な命を自殺から守るためにも、
御家族の方は何度も読んでいただき
当事者への対応に生かして頂けると幸いです。
分からないことや疑問点などは、
本ブログの「お問い合わせ」から
お申し付けください。
ここまでお付き合い頂き、
有難うございました。
また、お会いしましょう。
明日はきっと幸せな一日