うつ・ひきこもりの専門家、
臨床心理士の北田義夫です。
今日のお話する事例は、
学校卒業後就職を果たすがリストラされたことで
ひきこもりになった方がどのようにして
脱出されたのかについてお話します。
ひきこもりと言っても多種多様で、色々なパターンがありますが
今回お話するケースは元々就労出来ていた人だけに
こころの傷が深く対応できる方に巡り合えず
御家族が長い間苦しんでおられました。
このケースは、一度も本人と会っていません。
でも・・・・
<3ヶ月で7年ぶりの外出を実現した視覚コミュニケーション活用事例>
・家族構成
大阪府在住
父:69歳
母:67歳
長男:43歳のAさん
・北田のことを知ったきっかけ
北田が登壇する市主催の不登校・引きこもり講演会に母親が参加して
・北田に出会うまでの問題
長男Aがリストラをきっかけにひきこもりになって、
7年経ちどうしていいのか分からないまま現在に至る。
どこに相談しても確かな指針が得られなく途方に暮れていた。
・改善のポイント
☆母親の日々の観察記録から、
Aさんの場合は話し言葉よりも書き言葉の方が
伝達手段として有効であることが判明しました。
コミュニケーション時には要点をまとめたメモを渡すなど
苦手を補強する為の視覚コミュニケーションのための指示を
入れていくようにしました。
・改善後の変化
指示した行動の反応の悪さの原因が1つでも理解できたことで、
関わりのヒントが日々の観察にあることを
母親が理解するようになりました。
その結果、記録を通じてAさんの表しがたい気持ちが理解出来るようになり
円滑にコミュニケーションが進みはじめました。
<それまでのお困りの概要>
こっちが「これやって!」と伝えてもやってくれないのに、
「やるな!」といったことはだけはやってしまう現状に
頭を抱えていたお母さん。
そうなると、向こうが何を考えているのか分からないので
不安になり、妙に焦りだす自分がやけに気になっていたという。
具体的には、「雨が降ったら外に干しているお布団を部屋の中に入れて」と
頼んでいても気付きもしないで布団はずぶ濡れになるのに、
NHKの集金には出るなと言っているのに出たり、
宗教の勧誘や物品のセールスに出てしまったりして
トラブルになることもたびたび起こっていました。
お母さんが北田と出会い、子供さんの気持ちに添えるようになったことで
彼の情報の受け取り方の得手不得手が分かるようになったといいます。
耳で受け取る聴覚を通じての情報が入りにくい状況が
理解出来たことで、
コミュニケーションをとる際には
できるだけ視覚の情報も交えることを意識するだけで
お互いの気持ちが通い合う様になりました。
そこから、3ヶ月して7年ぶりに外出を果たします。
コミュ二ケーションの取り方が分かるには、
彼自身を「しっかりと見なければならない」というAさんの言葉が
今も印象に残っています。
現在47歳の彼は、その後就労を果たし
充実した毎日を送っているといいます。
この家族に変化をもたらした考え方が次の動画で出ています。
ご視聴頂けると何かのヒントになるのではないでしょうか。
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