皆さん、愛してます!
北田心理相談室・臨床心理士の北田義夫です。
今日は、うつ病の治療カウンセリングで
効力を発揮する快体験プログラム(ワーク)に
ついてお話します。
これは、私が定番で使っているアプローチで
人によりカスタマイズは行いますが
基本原理は同じです。
前回は、この快体験プログラムの
事前準備に当たる
下ごしらえの部分について
詳しく述べました。
今回はこのプログラムによってもたらされる
喜びのホルモンによって
治療カウンセリングが
加速していくことを語ります。
人はたいてい
今までやりたくても出来なかったこと、
途中で断念したことなど未達成なことを
抱えて生きています。
これをその人にとっての
人生の課題と呼んだりしています。
それを達成する、
あるいはチャレンジする機会が
訪れたら人間はどんなに力付けられるか
私は人間の底力をまざまざと
見せ付けられてきました。
ここでは、体験することに価値を置き
結果にはフォーカスしません。
ただ、やりたかった未達成なことを
達成するための下準備が整ったら
やるだけなのです。
バスの運転手になりたかったAさんは、
公道ではありませんがバスに乗ったことで
その後のカウンセリングに
大きな変化が起こりました。
バスのあの運転席に座ったことで
視点が変化したのか分かりませんが、
こちらが何かを言うわけでもないのに、
自然に柔軟な思考ができるようになりました。
症状や困ったことを抱えて生きれる契機に
なったように思います。
確かに
症状が一度に改善したわけではありません。
しかし、その後の治療カウンセリングに
主体的に関わるようになったことは
事実です。
漫画喫茶で3日間、漫画合宿をはったBさんも
同様でした。
そのチャレンジをきっかけにして
意欲という止まっていた機械に
油がさされた如く、
失っていた自分への信頼感を
取り戻していかれました。
カウンセリングとは、
何かを教えるものではありません。
相談者が我々との共同作業を通じて、
自分で気付かれる作業にほかなりません。
その作業に、
快体験プログラム(ワーク)を組み込むことで
治療カウンセリングが加速するのです。
心に抱えていた未達成なことに
チャレンジするだけで、
喜びというか
生きがいに近い感情が
起こってくるようです。
私はその時の伴走者のような存在です。
以前このブログで
カウンセラーを化学変化の「触媒」に
例えたことがありました。
自分は変化しないで、
相手が変化するのを助ける役目。
そんな存在こそ、
究極の支援者ではないでしょうか。
私はそんな臨床心理士に
なりたいと思っています。
最後までお付き合いいただき、
感謝です。
ありがとうございました。
明日もきっと幸せな一日