こんにちは
東京新宿・大阪上本町で
北田心理相談室を主宰しています。
臨床心理士の北田義夫です。
「うつ病と診断されたが
なかなか治らない貴方へ」と題して
問診と薬物の観点から臨床の現場での実感を
今まで綴ってきました。
今日はその続編で、
カウンセリングの問題について
多くの症例に深く関わってきた立場から
語ります。
巷に「聞かないカウンセリング」というのが
話題になっています。
これって・・・「効かないカウンセリング」と
言われている感じがしてなりません。
これを唱える方が何を主張されているのかは別にして、
この現象は今のカウンセリングの現状に対する
アンチテーゼではないかと私は考えています。
奥歯に物が挟まったような言い方はやめておきますね。
これは、極端な言い方をすれば
聞いているだけのカウンセリングでは
治療のレベルで歯が立たないということです。
確かに、話を聞いてもらったことで
楽になるというのは事実です。
否定はしませんが、
話すと聞くがセットになってこそ
北田が主張する治療面接(カウンセリング)が
スタートするのです。
私達が患者さんを理解することで、
患者さんが自分自身のことを理解していく・・・
これがカウンセリングなんです。
そのためには、カウンセラーが理解したことを
患者さんとしっかりとすり合わせをし、
ズレた部分を患者さんが中心となって
自分の言葉で、より伝わりやすい形に変えていく
言葉を見つける作業こそが
カウンセリングの真髄の部分です。
僕はこれを見える化の過程と呼んで、
上司が部下にマネジメントする際にも
有効な手法としてビジネス研修でもお話しています。
この作業なくして、気付きや発見は望めばせん。
もちろん、そのことを遂行出来る状態にない人には
まず心のベースラインを上げるための取り組みが
事前に必要となります。
(過去のブログ参照)
この段階では行動療法のアプローチと
事前に仕込んでいた心理教育を
併用していきます。
すり合わせという、
相互で共同の「心をめくる」作業により、
患者さんに「見えないものが見えてくる」
というプロセスが生じます。
過去のブログでも書きました。
<話すは・・・離す、聞くは・・・効く>
この相互のすり合わせコミュニケーションを通じて、
最初目の前にへばり付いていた状況や課題が
話す・聞くを繰り返していくうちに
まさに離れていきます。
眼の直前に置かれた紙の字は読めないけれど、
徐々に離れていくと書かれた文字が読めるように
なりますね。
このプロセス自体が<話すが・・・離す>なんです。
困っている状況(文字にあたるもの)を
話し・説明していくことで
出来事に対する客観的な理解が
出来るようになっていきます。
別の意味付けや発見が
自然にもたらされるのです。
カウンセリングは決して答えを
教えるものではありません。
このプロセスがあってこそ、
好変化が『もたらされる』
『勝手に起こる』のです。
起こすのではない点に、注目してください。
私はよく「柿の実が落ちてくるから、
手を広げて落ちるのを待つだけですよ」と
語ります、
すり合わせの際に、
カウンセラーが意図を持たないことも
重要な事項です。
まとめると以下のようになります
患者さん自身が話すことで、
課題と距離が生じて、
客観的な理解が進みます。
最終的には心の課題が
徐々に離れていき、最後に解き放たれる
これこそが、<話す→離す→放つ(す)>
今日はカウンセリングが
効果的に「効く」には
患者さんとカウンセラーに
何が必要なのかについて述べました。
ただ客観的な自己理解が進んでも、
それだけでは治療面接自体は
本質的には進行しません。
特にうつ病の人には
新しい自分理解と人生観の獲得なしでは
なかなか治らないという事態に陥るのです。
そこを改善するには、
その時に出来ることを
コツコツと積み上げていく
行動のシステムをもった本当の
カウンセリングが必要となります。
北田心理相談室では、
「心のベースラインを上げる」ための
具体的な方法や「自己理解と新しい人生観を
獲得するシステムを構築する」お手伝いを
させて頂いています。
医療関係者からも
目からウロコの治療面接術と
言われている所以です。
良かったら、一度体験カウンセリングを
(30分:5400円)やっていますので
お越し下さい。
関心のある方は、
北田義夫のプロフイール
北田心理相談室
をご参照下さい。
お申し込みは、ここで受け付けています。
ここまでお付き合頂き、感謝です。
明日はきっと幸せな一日