皆さん、愛してま~す!
北田心理相談室臨床心理士の北田義夫です。
昨日は、薬物療法のお話でした。
ちょっと難しかったかもと心配してました。
正直、ビビってます。
如何でしたでしょうか。
双極性障害とは、
躁とうつの両方の時期がある病気です。
以前は躁うつ病と言われてました。
正確には、
双極性障害にはⅠ型とⅡ型がありますが
このブログは専門家向けではないので、
そこまで書いてません。
あしからず
今日は、うつ病治療の3つ目の柱である
心理療法(カウンセリング)について
綴ります。
今日も臨床の現場での経験と実感を述べます。
あくまでも私論ですが、
多くの経験豊富な医師にも
支持されているものですので
ご安心ください。
カウンセリングとは、
その人にジャストフィットした
オーダーメイドのお手製の服を共同作業と
して見つけることに他なりません。
薬物療法と同様に、
あくまでも医師や臨床心理士が
共同治療戦略の一環として
患者さんと一緒に取り組むことが
求められます。
そうなると、
傾聴しているだけでは何も起こりません。
聞いてもらっているだけでは、
気づきや発見に至ることは、
難しいのが実情です。
話を聞かないとなると、
もう治療以前の問題になってしまうわけです。
元に戻しますが、
症状が改善したり変化が起こるには、
双方向の会話が必要となります。
「話す」と「聴く」がセットになって
はじめて初動の形ができます。
40歳くらいまでの臨床心理士の
スーパービジョンを通じて、
まだまだこのレベルから脱却できていない
カウンセラーが多いことに気付かされます。
これも、日本の臨床教育の課題と限界
ではないかと思ってます。
双方向の会話とは、
通常のコミュニケーションと
そんなに大差はありません。
私がお話しを聴いて理解したことを、
「これでいいですか?」と患者さんに対して
より具体的な言葉に変換しながら、
会話のキャッチボールを続けることなのです
双方向の会話をを続けていくうちに、
患者さんに今まで見えなかったことが
見えてくるのです。
そんな事を言うと、「うそー!」とおっしゃる方が
目に浮かびそうですが、本当のことなんです。
これと同じ原理を使って
研修会で説明するシーンを紹介します。
このキャッチボールを”すり合わせ”と
呼んでますが、相手の周波数を合わすための
チューニング作業を丁寧にしていくことで
患者さんとこちらの両方に気づきが深まってきます。
すなわち僕らが患者さんのことを理解する
ことを通じて、
患者さんは自分のことを正確に理解していく
という並行した心の動き
(パラレルプロセス)が生じます。
より理解を深めるための
すり合わせの作業を抜きにした「指導」だけでは
本当の治療改善は起こりません。
そうなると見せかけの改善に
とどまってしまい、
再発のループを繰り返すのです。
鬱にせよ、パニック発作にせよ
依存症にせよ、
心の病が真に癒されるには、
新しい人生観が
付加されなければならない
というのが私の持論です。
元の考え方を否定するのではなく、
むしろそれを大切にしているからこそ
新しい考え方をプラスする発想が
芽生えてくるのです。
アイスクリームのダブルの発想ですね。
両者が渾然一体と溶け合ったところが、
美味しい部分になります。
これは、「話す」・「聞く」の両方が
存在するプロセスの中で
自然に出てきます。
その原理は極めて簡単な説明です。
「話す」は「離す」最後は「解き放たれる」:
確かに最初困っているうちは、
状況が眼の前にこびりついており
客観的に見えない。
それは、眼の直近に文章が書かれた紙を
あてると読めない状況に
似ている。
ところが双方向の会話を続けているうちに
だんだん状況が眼の前から
「離れ」ていき客観的に状況を見ることが
可能となる。
この文字の書かれた紙が眼の前から
一定の距離だけ離れていくと
書かれた文字が読めるようになるのと
同じである。
カウンセリングを重ねて
紙が徐々に眼の前から離れていくことは、
あれだけ悩んでいた事象が
「もうええわ!」なんて言い出す始末に
つながることと重なる。
こうなった状態は「離れていく」ことで
最後に生じる「解き放たれた」状態に
あたります。
究極の癒やされた姿といえますね。
このようにカウンセリングには、
深い意味があり、
症状改善のアプローチとして
重要な柱です。
今日はこのへんで終了します。
最後までお付き合い頂きまして、
ありがとうございます。
明日もきっと幸せな一日