こんにちは
東京新宿・大阪上本町で
北田心理相談室を主宰しています。
うつ病・ひきこもり専門の臨床心理士
の北田義夫です。
今日は、「ひきこもり脱出のターニングポイントとは」
と題して北田心理相談室で
実際に行っている認知行動療法を応用した家族
支援において”ひきこもり脱出の可否を握っている
ポイントについてお話します。
巷に、「エッセンシャル思考」という本が
話題に上がっているようです。
これは最小限度の努力で、最大の効果を導き出す
という思考法のようです。
北田のやり方は、そのようなスマートな
手法ではなくむしろ泥臭い方法です。
しかし、粘り強く続けることで確実に成果が
時間の経過とともにもたらされます。
北田は、約10年ほど前から
エッセンシャルプロセスと命名した
手法を提示して不登校・ひきこもりの
家族支援に関して「考え方やアプローチ」を
具体的にセミナーなどでお話ししてきました。
エッセンシャル・プロセスという言葉自体は、
欧米で開発された”対立”や”葛藤”などを解消
するための「コンフリクトマネジメント」、
「ミディエーション」の第一段階の
ことを示す言葉です。
私は公立中学校の教員やプロの臨床心理士として
悩める家族を数え切れないほど見てきました。
その中で得た知見を整理しながら言語化する作業を
通じて、ゆっくりですが形が出来ていきました。
それが近年、体系化されてまとまりを持ち
家族だけでなく、会社や団体という
組織のマネジメントにも
応用できるようになりました。
それが、今回紹介する
「エッセンシャルプロセス・マネジメント」(EPM)です。
今日はその中でも
「ひきこもり脱出のターニングポイント」について
親、保護者の在り方の
重要性について説明します。
世の中の風潮として、ひきこもり支援に関して
当事者に何をなすべきかというDO論は多いですが
親の在り方(BEING論)を具体的に説くものは極めて
少ないのが現状です。
特に長引くひきこもり状態のなかでは、
思考が柔軟性を失い行動障害まで併発し
分かってるけれど、動けない状態が生じて
しまいます。
こうした当事者や家族にとって、
前述した「べき論(DO論)」ではますます混迷を
深め泥沼へ突入していきます。
しかも支援者の多くは、それを良かれと
信じ切ってやりきろうとするのです。
こうなると成果が出ないので
悪循環の繰り返しだけが印象に残り
絶望感や疲弊感のみが積み残っていきます。
悪意がないだけに、
このことによる弊害は甚大です。
しかも支援者の多くは、
この構造に気づいていません。
イソップの童話ではありませんが、
「○○しないとだめだ」という”北風”的
アプローチではこうした事態では
上手くいくはずがありません。
ここで私は、認知行動療法のアプローチとして
紹介していますが、実際は精神分析の考えを
応用した”太陽的アプローチ”を指示し
「この現状の中で出来ることは何か」を
共に考えながら、EPMの第一段階に
入っていきます。
ここで大切なのなは、混乱している家族に
難しい理屈はいらないということです。
私は、ここで家族特にキーとなる人物
(多くは母親)が精神的にゆとりを持つことを
目標として提示します。
母親が落ち着くことで、
その落ち着きが当事者に伝播する
家族機能の第一歩を取り戻すことを
当初の目的にするのです。
そのために具体的に何をすれば良いのかを
小中学生でも出来るノウハウに落とし込んで
説明します。
これを心のベースラインを上げる3大ワークと
呼んで継続するように、カウンセリングの中で常に
チェックしていきます。
実際の支援の現場では、
「落ち着きなさい!」と言われても
思考障害や行動障害という”うつ的な状態”に
陥っている母親に通じるはずがありません。
このワークを無理なく繰り返すことで、
自然に心のベースライン(安定感)が高まり
親の、特に母親の安定感を中心として家族機能を
取り戻す契機となるのです。
これに引き続いて、母親の落ち着きが
どうして当事者につながっていくのかは
前回に引き続いてYouTube動画をご覧頂きたい
と思います。
パラレルプロセスという人間関係の
ダイナミクスを簡単に説明しています。
これは、一番最後に提示致しますね。
ここまでお付き合い頂き、
本当にありがとうございました。
心より感謝申し上げます。
ブログを読んだり、動画をご視聴頂いて
何か不明な点があれば、ブログの
「お問い合わせ」から
ご質問頂けますと
幸いです。
最近は電話ですが、北田のセミナーの情報を
教えてくださいなどのお問い合わせも
出てきています。
そんなことも遠慮なくお申し付けくださいね。
また、お会いしましょう
明日はきっと幸せな一日
キーパーソン(母親)の変化で何が起こるのか
変化は起こすのではなく・・・