こんにちは
東京新宿・大阪上本町で
北田心理相談室を主宰しています。
うつ病・ひきこもり専門の臨床心理士
の北田義夫です。
前回は
「家族支援の真髄は組織支援にも通じる:
EPM法」と題してお話しました。
本日は、
「40代のひきこもり:うつ・ひきこもり専門の北田心理相談室」
と題してお話します。
多くのひきこもりの当事者や
ご家族、何よりもサポートされている
保健師の方々などとの交流の経験から見ると、
30代の方と40代の方とでは”ひきこもり”と一言で
言っても全く違うという感じがあります。
あくまでも私の臨床上の雑感なので、
正確なデータではありません。
そのあたりは御理解の上でお聞きください。
私は心療内科のクリニック約11年、
三重県立心の健康センターの家族教室を3年
私に御縁のある方々が自主的に立ち上げられた
親の会(月1回)が約8年と
ひきこもりに関しては
多くのご家族のお悩みに関わってきました。
スクールカウンセラーの仕事においても、
学校長の理解のある所では卒業生をはじめとして
地域の支援の手が届かない御家族に対して養護教諭や
地域の精神保健を担当する方と連携しながら
可能な支援を進めていました。
(三重県・和歌山県で実施)
その中で一番感じていることは
当事者の年齢が進むにつれて当事者や家族に
対する支援は次第に難しくなるということです。
そのひとつの分岐点が
やはり40代にあるのではないかと
考えています。
もちろん、ひきこもりと言っても
一口で括ることは出来ません。
しかし、年齢を重ねるにつれて
当事者や家族もモチベーション(意欲)が
ともに下がることで、主体的に自分の問題に
関わること自体が残念ながら難しくなります。
体力的な問題もありますが、
長引く状態のために<IN BOX理論>でいう
箱の中に押し込めらていることで生じる
無力感が思考や行動に障害を誘発して
身動き出来なくなるからです。
保護者もパラレルプロセスにより
当事者と同じような精神状態が生じます。
おまけに医療機関でも公私を問わず相談機関でも
明確な理論とアプローチの指針を
明確にお伝え出来るところは
極めて少ないのが現状です。
上記の機関で提供される支援の多くは
傾聴中心にとどまり行動的な変化は
決して望めません。
あってもひどいところでは
ストレスに対する暴露法(さらす)で
あったりします。
最後は混乱させるだけで終わったり、
トラウマが強化されること自体も
起こります。
40代のひきこもりの多くは
実はもがいています。
「もうだめだ!」と思いまながら
かすかな夢を持っています。
ありえない「一発逆転」の夢を持っています。
ところが、行動しようとチャレンジする前に
多くの時間を費やして、計画立てるだけで
疲れてしまうといった悪循環が生じています。
こうした40代の当事者にも、
キーパーソンの安定を積み重ねていくにつれて
当事者に変化の兆候が生じ、やがては私のところに
カウンセリングを受けに来るように
なるのです。
そうなると最終的には先ほど述べた
特徴のある方でも可能な方は
就労がその人に合わせて
出来るようになっていきます。
今では、「嫁さんが欲しいんやけど!」と
人生に対する可能性を口にする
ようになった事例もあります。
北田のところを訪れた相談者が、
どのようになるかは守秘義務の範囲で
事例が特定できないように慎重に配慮しながら
本ブログではお伝えしています。
過去のトラウマを、どさくさ紛れに話しながら
「誰にも伝えることができなかった」と
笑った40代のある青年には・・・
その後両親が驚くばかりの変化が現れます。
対人恐怖的な症状と両親が表現される当事者自らが
外出の練習を始められている事実に。
しかも、人に出会う可能性の時間に
出かけるなんて自虐的だと思うのですが、
本人は「分かってるでぇー!」・・・と
返してくる。
、
北田さんは、「ぼち・ぼち」と
言いたいんやろうーと
投げかけてきます。
そんなことを話しているうちに、
「僕は今まで○○が悪いと
誰かのせいにしてたけど」、
「あれって・・・俺の隠れ蓑やー」
なんて返してくる。
・・・私は目が点になりそうです。
そんな事例は山のように起こっています。
本ブログでも書いてます。
すべての方への私のアプローチは、
「程よさの追求なのです」
その人が難なく出来ることを
積み上げていくことによる達成感こそが
人をもう一つ上の世界に導いていくのです。
ただ、40代の方は若い方に比べると
慢性化した状態に馴染みが出来すぎて
意欲やエネルギーに確かに課題はありますが
最後のチャンスと心の中で叫んでいる
のは確かな事実です。
私は多くの当事者を男女を問わず見てきて、
支援者自身が心の底の声にならない声を
受け取る必要性を感じています。
そうなると重要になってくるのは、
知識よりもドンと肝の据わった対応です。
「君と一緒に人生を歩みたいんや!」と
いう思いこそが”最後の最後に”
重い重い舵を切らせることになるのです。
それを私は「運命共同体意識」と
呼んでいます。
この意識が、大きく発動する年齢が
私の経験では40代までなのです。
次の年代に入ると、当事者も家族も
大きな問題を抱えていきます。
親の老後の生活の問題、
特に金銭的には年金暮らしなど
様々な要因が当事者や家族に
のしかかってくるのです。
ただ、ここでは50代が無理だと
明言しているわけではありません。
年齢に関係なく、家族や当事者が
高い意識を保持しながら
支援者の揺るがないサポートを
受けることで脱出は可能です。
ただ、私が経験するケースでも
家族のモチベーションが続かないということで
断念されるケースも多く見てきました。
大変残念で断腸の思いで
お別れしたケースもあります。
だからこそ、早期の取り組みの重要性を
訴えています。
今日は、「40代のひきこもり:
うつ・ひきこもり専門の北田心理相談室」
と題してお話しました。
なかでも、40代が脱出のひとつの
分岐点となるというお話をしました。
如何でしたか。
分からないことや疑問点なども、
本ブログの「お問い合わせ」から
お申し付けください。
ひきこもり支援においても、
変化は起こすのではなく
結果として
『もたらされる』。
これを必然的にもたらす仕組みを
北田心理相談室は明確に提供しています。
YouTubeの検索欄に
「臨床心理士北田義夫」と
入れて頂きすと他の多くの動画があります。
良かったら見て頂けますと、
本ブログの理解が進みますので
ご参照下さい。
最後まで、お付き合い頂き感謝です。
またお会いしましょう!
明日はきっと幸せな一日
感謝合掌